投資を始めるとき、いちばんよく聞くのが「まずは積立から」という言葉だと思います。
実際、積立はかなり定番です。ネットの記事を見ても、まわりの話を聞いても、だいたい積立がすすめられています。だから、深く考える前に「とりあえず積立にしておこう」と決めた人も多いかもしれません。
それ自体が悪いわけではありません。積立は、投資を始める入り口として選ばれることが多い方法です。
ただ、一度だけ立ち止まって考えてみたいことがあります。それは、「みんながやっているから」ではなく、「自分に合っているから」で選べているか、ということです。
この記事は、積立が正解だとすすめるためのものではありません。積立と相性がいい人もいれば、積立だけでは少し物足りない人もいます。その違いを見ていく話です。
貯金と積立は、同じ「コツコツ」でも別物
まず、ここは先に整理しておきたいところです。
貯金をコツコツ続けてきた人ほど、積立投資も同じような感覚で始めることがあります。毎月少しずつお金を置いていく。無理のない範囲で続ける。将来のために積み上げる。たしかに、表面だけ見ると似ています。
でも、貯金と積立投資は、同じ「コツコツ」でも中身はかなり違います。
貯金は、基本的に預けた金額そのものは減りません。1万円を入れれば、1万円は1万円のまま残ります。この「額が減らない」という安心感は、貯金の大きな強みです。
ただし、額が変わらなくても、お金の価値までずっと同じとは限りません。ものの値段が上がる時期には、同じ1万円で買えるものが少しずつ減っていくことがあります。見た目の金額は変わらない。でも、買える力は変わっている。ここは、貯金だけを見ていると気づきにくい部分です。
一方で、積立投資は、お金そのものを積み上げているというより、値段が動くものを買っていく行為です。だから、増えることもあります。減ることもあります。積み立てた合計額より、評価額が下回る時期もあります。
「貯金の延長」だと思ったまま始めると、最初に評価額が下がったときに「話が違う」と感じ、慌ててやめたくなります。でも、積立投資では途中で評価額が下がること自体はめずらしくありません。むしろ、それも含めて時間をかけて付き合っていくものです。
貯金は、額は減りにくいけれど、お金の価値は動くことがあります。積立投資は、評価額そのものが増えたり減ったりします。どちらが正しいという話ではありません。リスクの種類が違う、ということです。
積立投資って、どういうやり方?
積立投資は、ざっくり言えば、決まった金額を定期的に買っていくやり方です。
毎月同じ日に、決まった額を買う。相場が高いときも、安いときも、淡々と続ける。一度設定すれば、自動で進んでいくことも多い。タイミングを見て大きく買ったり、短期で売ったりするやり方とは、かなり性質が違います。
どちらかというと、積立は「時間をかけて少しずつ関わる」スタイルです。
ここで大事なのは、積立は投資の正解ではなく、やり方のひとつだということです。合う人には合います。でも、合わない人もいます。次から、その相性を見ていきます。
積立が向いている人
積立と相性がいいのは、たとえばこんな人です。
いくつか当てはまるなら、積立は性格とケンカしにくいやり方かもしれません。
積立の良さは、判断する回数が少ないことです。毎回「今買うべきか」と考えなくていい。上がった下がったに合わせて、いちいち動かなくていい。投資にあまり多くのエネルギーを使いたくない人にとって、この距離感はかなり楽です。
見なくてもいい。考えすぎなくてもいい。それがストレスにならない人には、積立は合いやすいと思います。
逆に、積立だけでは物足りない人もいる
一方で、積立がすべての人にぴったり合うわけではありません。次のような人は、積立だけだと少し物足りなく感じることがあります。
こういうタイプの人にとって、積立の「淡々と待つ」感じは、少し退屈に思えるかもしれません。でも、それは悪いことではありません。
自分で考えたい人が、無理に積立だけで我慢すると、かえって続かないことがあります。見ないほうが楽な人もいれば、少し関わっているほうが安心する人もいます。
積立が物足りないと感じるのは、落ち着きがないからではありません。単に、もう少し投資に関わりたいタイプなのだと思います。
「向いている」と「物足りない」に優劣はない
ここは、はっきり分けて考えたいところです。積立が向いている人と、積立だけでは物足りない人。どちらが上という話ではありません。
ほったらかしで続けられる人が偉いわけでもありません。自分で動きたい人が危ないわけでもありません。性質が違うだけです。
投資の話では、どうしても「感情を出すな」「淡々と続けろ」「ほったらかしが正解」という空気が強くなりがちです。もちろん、それが合う人もいます。でも、全員に合うとは限りません。無理に合わせると、続かない。続いても、どこかでストレスがたまる。
大切なのは、積立が正解かどうかではなく、自分がどの距離感なら無理なく関われるかです。
積立が合いそうなら、それでいい。物足りないなら、別の関わり方を考えてもいい。たとえば、長期でじっくり関わるのか、短期で動くのか。時間軸の違いから考えたい人は、長期投資と短期投資の違いもあわせて読むと、自分の距離感が見えやすくなります。
投資スタイル全体を知りたい人は、こちらの記事が参考になります。
積立と相性がいいか、見てみる
最後に、自分と積立の相性を簡単に見てみましょう。次の中で、当てはまるものはあるでしょうか。
当てはまるものが多い人ほど、積立という距離感と相性がいいかもしれません。
逆に、あまり当てはまらなかった人は、積立だけよりも、もう少し自分で関わるやり方のほうが合う可能性があります。どちらが正しいという話ではありません。どちらが自分に合っているか、です。
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