「『投資に向いていない気がする』その感覚の正体」

8investors | コラム
「投資に向いていない気がする」その感覚の正体
向き不向きの正体を、性格ではなく「受け継いだ価値観」からほどいていきます。

「自分は投資に向いていない気がする」

そう思ったことがある人は、かなり多いと思います。

誰かにそう言われた人もいるかもしれません。でも実際には、誰かに言われたわけでもないのに、自分でそう決めてしまっている人のほうが多い気もします。

ただ、その感覚は、性格だけの問題ではないことが多いです。

慎重だから。怖がりだから。お金のことを考えるのが苦手だから。そう片づけてしまう前に、少しだけ見ておきたいことがあります。

それは、自分の中にある「お金に対する古い考え方」です。

この記事は、「あなたは投資に向いていません」と判断するためのものではありません。むしろ、その手前にあるモヤモヤを、少しだけ言葉にしてみるための記事です。

心の奥で、こんな声が聞こえないか

お金や投資の話になると、心の中でこんな声が出てこないでしょうか。

「お金は汗水たらして働いて稼ぐもの」 「うまい話には、必ず裏がある」 「投資なんて、結局ギャンブルみたいなもの」

こういう言葉は、自分で一から考えて作ったものというより、親や祖父母、まわりの大人たちの会話の中で、少しずつ染み込んできたものかもしれません。

ここで大事なのは、その声を悪者にしないことです。その声は、これまであなたを守ってきた部分があります。

無駄遣いを止めてくれたかもしれない。怪しい話に近づかないようにしてくれたかもしれない。簡単に儲かる話を疑う力になっていたかもしれない。

だから、いきなり「その考え方は古い」と切り捨てなくていいと思います。まずは、その声が何を守ろうとしていたのか。そこから見ていくほうが、たぶん自然です。

「投資に向いている人」って、どんな人?

世間では、投資に向いている人にはこんな特徴があると言われます。

よく挙げられる「向いている人」の特徴
感情に流されず、数字を見て判断できる
短期の値動きに一喜一憂しない
わからないことを調べるのが苦にならない
一時的にお金が減っても、生活と切り離して考えられる

たしかに、こういう力がある人は有利です。これは間違いありません。

でも、ここで勘違いしやすいのは、これらが「投資を始めるための資格」のように見えてしまうことです。実際には、そうではありません。

感情が動きやすい人は、感情が動きにくい仕組みを選べばいい。こまめに調べるのが苦手な人は、手間の少ない方法を選べばいい。値動きが怖い人は、いきなり大きな金額を入れなければいい。

向いているかどうかよりも、どのやり方なら無理なく続けられるか。そちらのほうが大事です。

古い価値観は、半分くらい今も正しい

「お金は汗水たらして稼ぐもの」
この感覚は、今でも大事です。働いて得たお金を大切にする人は、簡単に大きなリスクを取りにくいからです。

「うまい話には裏がある」
これも、かなり正しいです。世の中には、よくわからないまま勧められる商品もあります。仕組みを理解しないまま始めると、後で困るものもあります。この警戒心は、弱点というより防御力です。

「投資なんてギャンブルだ」
この声も、一面では当たっています。ただし、「短期で一発を狙うなら」という条件つきで、です。そういう売買なら、たしかに賭けごとに近い面があります。

最初の2つ――働いて得たお金を大事にすること、うまい話を疑うこと――は、むしろ持っていたほうがいい。分けて考えたほうがいいのは、3つ目の「投資=すべてギャンブル」という部分だけです。

そこには、ひとつ見直せる前提が隠れています。

変えるのは価値観ではなく、前提かもしれない

多くの人がイメージする投資は、短期で売ったり買ったりして、上がるか下がるかを当てにいくものです。

それを投資だと思っているなら、怖くなるのは自然です。汗水たらして稼いだお金を、よくわからない値動きに預ける。そう考えれば、「そんなもの危ない」と感じるのは当然です。

でも、投資には別の関わり方もあります。たとえば、長い時間をかけて、少しずつ、広く分散しながら市場に参加していく方法です。

ここは誤解されやすいところ

「長期なら絶対に安心」「だから儲かる」と言いたいわけではありません。長期で関わる投資にも、元本割れなどのリスクは当然あります。お伝えしたいのは、あなたが避けてきた「投資」と、もうひとつの「投資」は、別物かもしれない、という一点だけです。

短期で一発を狙うものと、長期で少しずつ関わるものは、同じ「投資」という言葉で呼ばれていても、中身はかなり違います。もしかすると、あなたが避けてきたのは「投資」そのものではなく、短期で勝負するような投機のイメージだったのかもしれません。

そう考えると、変えるべきなのは価値観そのものではなく、投資に対する前提のほうです。

慎重であること。怪しい話を疑うこと。働いて得たお金を大事にすること。それは残したままでいい。そのうえで、自分に合う関わり方を探せばいいと思います。

「向いていない」と言われた人へ

もし誰かに「投資に向いていない」と言われたことがあるなら、あまりその一言だけで決めなくていいと思います。

投資は、向いている人だけがやるものではありません。全員が同じやり方をする必要もありません。

大きくリスクを取る人もいれば、毎月少額を積み立てるだけの人もいます。個別株を調べる人もいれば、ほとんど見ないようにして続ける人もいます。どれが正しいというより、自分が無理なく続けられる距離感を見つけることのほうが大事です。

「向いていない」のではなく、まだ自分に合うやり方を知らないだけかもしれません。

自分に合う投資スタイルを考えたい人は、こちらの記事も参考になると思います。

今の自分の立ち位置を見てみる

難しい知識がなくても、今の自分の状態はある程度見えてきます。次の中で、当てはまるものはあるでしょうか。

いくつ当てはまる?
お金が減るかもしれないと考えるだけで気が重くなる
「投資」と聞くと、まずデイトレや短期売買を思い浮かべる
まわりに投資の話をできる人がいない
始めるとしても、できるだけ手間はかけたくない

当てはまるものが多い人は、いきなり個別株で勝負するより、長期・積立のような距離を取った関わり方から考えたほうが合うかもしれません。そのほうが、昔から自分の中にある警戒心ともケンカしにくいはずです。

逆に、あまり当てはまらなかった人は、すでにお金や投資との距離が少し近いタイプかもしれません。その場合は、「向いていない」と考えるより、自分に合う型を見つける段階にいるのだと思います。

もう少し具体的に自分の傾向を知りたい人は、2分の無料診断で確かめてみてください。

それでも怖いと感じるなら

ここまで読んでも、やっぱり怖い。そう感じるなら、その感覚も無視しなくていいと思います。

怖さがあるということは、お金を大事にしているということでもあります。大切なのは、怖さをなくすことではなく、怖さの正体を少しずつ分けて考えることです。

投資が怖いと感じる理由については、投資が怖いと感じるのはなぜ?の記事でもう少し詳しく整理しています。

よくある質問

投資に向いていない人は、やめておいたほうがいいですか?
投資は向き不向きで決まるものというより、自分がどの距離感で関わるかの問題です。感情が動きやすい人は仕組みで補う、手間をかけたくない人は手間の少ない方法を選ぶなど、関わり方は人によって選べます。「向いていない」と感じる場合でも、まだ自分に合うやり方を知らないだけのことがあります。なお投資には元本割れなどのリスクがあり、本記事は特定の判断をすすめるものではありません。
「投資はギャンブル」というのは間違いですか?
短期で一発を狙うような売買であれば、賭けごとに近い面があるのは事実です。一方で、長期にわたり分散しながら市場へ少しずつ参加していく関わり方は、同じ「投資」という言葉でも中身が異なります。どちらにもリスクはあり、長期だから絶対に安心ということはありません。両者を分けて考えることが出発点になります。
何から始めればいいですか?
まずは自分の傾向や、お金との距離感を知ることが入口になります。当サイトの無料診断や、自分に合った投資スタイルを考えるコラムが参考になります。これらは一般的な情報提供であり、特定の金融商品や口座開設先をすすめるものではありません。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの購入や、投資判断をすすめるものではありません。投資には元本割れなどのリスクがあります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。