最近、どこを見ても投資の話が増えました。
新聞でも、テレビでも、SNSでも、投資。国も「貯蓄から投資へ」と言っています。まわりにも、投資を始めた人がいるかもしれません。
そういう空気の中にいると、「自分も始めたほうがいいのかな」「このままだと乗り遅れるのかな」と、なんとなく落ち着かなくなることがあります。
でも、ずっと貯金でやってきた人にとっては、急に投資と言われても戸惑うのが自然です。これまで特に困っていなかった。毎月コツコツ貯めてきた。無理なことはせず、堅実にやってきた。それなのに、急に世の中の空気が変わって、「投資しないといけない」ように感じる。
焦る気持ちが出てくるのも、無理はありません。ただ、その焦りだけで始めなくてもいいと思います。
この記事は、「早く始めないと損しますよ」と急かすためのものではありません。むしろ、その焦りを一度外に出して、少し離れたところから見てみるための記事です。
まず、貯金してきたことは間違いではない
最初に、ここははっきり言っておきたいです。これまで貯金を続けてきたことは、責められるようなことではありません。むしろ、ちゃんとお金と向き合ってきた証拠です。
毎月少しずつでもお金を残す。使いたい気持ちを抑える。将来のために、手元に置いておく。これは簡単なようで、実際にはなかなか難しいことです。
「貯金しかしてこなかった」と引け目に感じる必要はありません。貯金を続けてこられた人には、すでに大事な力があります。
すぐに使い切らない力。将来のために残す力。お金に対して、軽く考えすぎない力。その土台は、投資をするにしても、しないにしても、かなり大事です。
「世の中の流れ」と「あなたのタイミング」は別
たしかに今は、投資を始めやすい環境が整ってきています。制度もあります。情報も増えました。まわりにも始める人が増えています。
でも、ここは分けて考えたいところです。世の中に流れがあることと、あなたが今すぐ始めなければいけないことは、同じではありません。
国が制度を整えているのは、「こういう選択肢もあります」という環境づくりです。まわりの人が始めたのも、その人なりの事情や考えがあってのことです。それは、あなたへの命令ではありません。
流れがあること自体は事実です。でも、その流れにいつ乗るか。そもそも乗るのか。どのくらいの距離で関わるのか。それは、自分で決めていいことです。
「乗り遅れる気がする」は、どこから来るのか
人をいちばん焦らせるのは、「乗り遅れるかもしれない」という感覚だと思います。
あの人はもう始めた。あの人は増えているらしい。SNSでは、みんな当たり前のように話している。そういう話を見たり聞いたりすると、自分だけ遅れているような気がしてきます。
でも、少し立ち止まって考えてみると、その「遅れ」は何と比べているのでしょうか。多くの場合、比べているのは他人です。他人の開始時期。他人の金額。他人の結果。他人の自信ありげな言葉。
でも、その人とあなたでは、収入も、生活も、不安の大きさも、家族の状況も違います。同じタイミングで始める必要はありません。
「乗り遅れる」という言葉には、人を動かす力があります。焦りは、自分の中から自然に出てきたものというより、外から流れ込んできたものかもしれません。そう気づくだけでも、少し落ち着いて考えられるはずです。
勧められて始めた投資は、続きにくい
誰かに言われたから。まわりが始めたから。国がすすめているから。そういう理由だけで始めた投資は、続きにくいことがあります。始めた理由が、自分の外にあるからです。
最初はそれでも動けるかもしれません。でも、値段が下がったときに、急に不安になります。「なんで自分はこれを始めたんだっけ」「本当にこれでよかったのかな」「やっぱりやめたほうがいいのかな」。そうなったとき、戻る場所がありません。
逆に、自分で納得して始めたものは、多少不安になっても踏みとどまりやすいです。もちろん、それでも迷うことはあります。でも、「これは自分で考えて選んだことだ」と思えるだけで、気持ちの揺れ方は変わります。
だから、順番が大事です。まわりに合わせて急いで始めるより、先に考えたいのは、「自分は、投資とどのくらいの距離で関わるのが合っているのか」ということです。そこが見えてから始めても、遅すぎるとは思いません。
「やる・やらない」の前に考えていいこと
ここまで読んで、「やっぱり自分は投資しなくてもいいかもしれない」と思ったなら、それもひとつの考え方です。
投資をしないという判断も、否定されるものではありません。無理に始めて、毎日不安になるくらいなら、始めないほうが合っている時期もあります。
ただ、本当は少し気になっている。でも、怖さや面倒さが先に立って動けない。そういう場合は、「やるか、やらないか」をいきなり決めなくてもいいと思います。その前に、「関わるとしたら、自分にはどんな形が合うのか」を考える段階があります。
大きくリスクを取る人もいます。個別株を調べる人もいます。毎月少額だけ積み立てて、あまり見ない人もいます。まずは情報を知るだけの人もいます。全部を同じ「投資」として考えると、急に重たくなります。でも、自分に合わない投資のイメージだけを見て、全部を避けていることもあります。
自分に合う関わり方を考えたい人は、こちらの記事も参考になると思います。
また、「投資に向いていないのかも」という感覚が先に立つ場合は、「投資に向いていない気がする」その感覚の正体もあわせて読むと、その気持ちの出どころが見えてきます。
今の自分の立ち位置を見てみる
最後に、今の自分の状態を少しだけ確認してみましょう。次の中で、当てはまるものはあるでしょうか。
当てはまるものが多い人は、今すぐ慌てて始める段階ではないのかもしれません。焦って始めるより、まずは自分の気持ちを整理する。自分がどのくらいの距離で投資と関わりたいのかを考える。そのほうが、遠回りに見えて、結果的には続きやすいはずです。
投資は、まわりに合わせて始めるものではありません。自分の生活と、自分の不安と、自分の目的に合わせて考えるものです。
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