みんなが投資を始めても、あなたは焦らなくていい

8investors | コラム
みんなが投資を始めても、あなたは焦らなくていい
「投資しないと」という焦りを、一度外から眺めてみるための話です。

最近、どこを見ても投資の話が増えました。

新聞でも、テレビでも、SNSでも、投資。国も「貯蓄から投資へ」と言っています。まわりにも、投資を始めた人がいるかもしれません。

そういう空気の中にいると、「自分も始めたほうがいいのかな」「このままだと乗り遅れるのかな」と、なんとなく落ち着かなくなることがあります。

でも、ずっと貯金でやってきた人にとっては、急に投資と言われても戸惑うのが自然です。これまで特に困っていなかった。毎月コツコツ貯めてきた。無理なことはせず、堅実にやってきた。それなのに、急に世の中の空気が変わって、「投資しないといけない」ように感じる。

焦る気持ちが出てくるのも、無理はありません。ただ、その焦りだけで始めなくてもいいと思います。

この記事は、「早く始めないと損しますよ」と急かすためのものではありません。むしろ、その焦りを一度外に出して、少し離れたところから見てみるための記事です。

まず、貯金してきたことは間違いではない

最初に、ここははっきり言っておきたいです。これまで貯金を続けてきたことは、責められるようなことではありません。むしろ、ちゃんとお金と向き合ってきた証拠です。

毎月少しずつでもお金を残す。使いたい気持ちを抑える。将来のために、手元に置いておく。これは簡単なようで、実際にはなかなか難しいことです。

「貯金しかしてこなかった」と引け目に感じる必要はありません。貯金を続けてこられた人には、すでに大事な力があります。

すぐに使い切らない力。将来のために残す力。お金に対して、軽く考えすぎない力。その土台は、投資をするにしても、しないにしても、かなり大事です。

「世の中の流れ」と「あなたのタイミング」は別

たしかに今は、投資を始めやすい環境が整ってきています。制度もあります。情報も増えました。まわりにも始める人が増えています。

でも、ここは分けて考えたいところです。世の中に流れがあることと、あなたが今すぐ始めなければいけないことは、同じではありません。

国が制度を整えているのは、「こういう選択肢もあります」という環境づくりです。まわりの人が始めたのも、その人なりの事情や考えがあってのことです。それは、あなたへの命令ではありません。

流れがあること自体は事実です。でも、その流れにいつ乗るか。そもそも乗るのか。どのくらいの距離で関わるのか。それは、自分で決めていいことです。

「乗り遅れる気がする」は、どこから来るのか

人をいちばん焦らせるのは、「乗り遅れるかもしれない」という感覚だと思います。

あの人はもう始めた。あの人は増えているらしい。SNSでは、みんな当たり前のように話している。そういう話を見たり聞いたりすると、自分だけ遅れているような気がしてきます。

でも、少し立ち止まって考えてみると、その「遅れ」は何と比べているのでしょうか。多くの場合、比べているのは他人です。他人の開始時期。他人の金額。他人の結果。他人の自信ありげな言葉。

でも、その人とあなたでは、収入も、生活も、不安の大きさも、家族の状況も違います。同じタイミングで始める必要はありません。

「乗り遅れる」という言葉には、人を動かす力があります。焦りは、自分の中から自然に出てきたものというより、外から流れ込んできたものかもしれません。そう気づくだけでも、少し落ち着いて考えられるはずです。

勧められて始めた投資は、続きにくい

誰かに言われたから。まわりが始めたから。国がすすめているから。そういう理由だけで始めた投資は、続きにくいことがあります。始めた理由が、自分の外にあるからです。

最初はそれでも動けるかもしれません。でも、値段が下がったときに、急に不安になります。「なんで自分はこれを始めたんだっけ」「本当にこれでよかったのかな」「やっぱりやめたほうがいいのかな」。そうなったとき、戻る場所がありません。

逆に、自分で納得して始めたものは、多少不安になっても踏みとどまりやすいです。もちろん、それでも迷うことはあります。でも、「これは自分で考えて選んだことだ」と思えるだけで、気持ちの揺れ方は変わります。

だから、順番が大事です。まわりに合わせて急いで始めるより、先に考えたいのは、「自分は、投資とどのくらいの距離で関わるのが合っているのか」ということです。そこが見えてから始めても、遅すぎるとは思いません。

「やる・やらない」の前に考えていいこと

ここまで読んで、「やっぱり自分は投資しなくてもいいかもしれない」と思ったなら、それもひとつの考え方です。

投資をしないという判断も、否定されるものではありません。無理に始めて、毎日不安になるくらいなら、始めないほうが合っている時期もあります。

ただ、本当は少し気になっている。でも、怖さや面倒さが先に立って動けない。そういう場合は、「やるか、やらないか」をいきなり決めなくてもいいと思います。その前に、「関わるとしたら、自分にはどんな形が合うのか」を考える段階があります。

大きくリスクを取る人もいます。個別株を調べる人もいます。毎月少額だけ積み立てて、あまり見ない人もいます。まずは情報を知るだけの人もいます。全部を同じ「投資」として考えると、急に重たくなります。でも、自分に合わない投資のイメージだけを見て、全部を避けていることもあります。

自分に合う関わり方を考えたい人は、こちらの記事も参考になると思います。

また、「投資に向いていないのかも」という感覚が先に立つ場合は、「投資に向いていない気がする」その感覚の正体もあわせて読むと、その気持ちの出どころが見えてきます。

今の自分の立ち位置を見てみる

最後に、今の自分の状態を少しだけ確認してみましょう。次の中で、当てはまるものはあるでしょうか。

いくつ当てはまる?
投資したほうがいいと思う理由が、まわりや世間の話ばかりだ
自分がなぜ投資を始めたいのか、うまく言葉にできない
始めるとしても、何をどうすればいいか分からない
正直、今のままの貯金でも困っていない
投資の話を聞くと、期待よりも焦りのほうが強い

当てはまるものが多い人は、今すぐ慌てて始める段階ではないのかもしれません。焦って始めるより、まずは自分の気持ちを整理する。自分がどのくらいの距離で投資と関わりたいのかを考える。そのほうが、遠回りに見えて、結果的には続きやすいはずです。

投資は、まわりに合わせて始めるものではありません。自分の生活と、自分の不安と、自分の目的に合わせて考えるものです。

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よくある質問

まわりが投資を始めていると、乗り遅れですか?
「乗り遅れ」という感覚は、多くの場合まわりの他人と比べることから生まれます。収入も生活も家族の状況も人それぞれ違うため、他人と同じタイミングで始める必要はありません。世の中に流れがあることは事実ですが、いつ関わるか、そもそも関わるかは自分で決めてよいことです。なお投資には元本割れなどのリスクがあり、本記事は特定の判断をすすめるものではありません。
ずっと貯金だけしてきましたが、それは良くないことですか?
貯金を続けてきたことは、責められるようなことではありません。使いたい気持ちを抑えて将来のために残す習慣は、簡単なようで難しいものです。その規律は、投資をするにしてもしないにしても土台になります。「貯金しかしてこなかった」と引け目に感じる必要はありません。
投資はしないと決めても大丈夫ですか?
投資をしないという判断も、否定されるものではありません。無理に始めて毎日不安になるくらいなら、始めないほうが合っている時期もあります。もし少し気になっているだけなら、「やるか・やらないか」の前に、関わるとしたら自分にどんな距離感が合うのかを考える段階があります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品・サービスの購入や、投資判断をすすめるものではありません。投資には元本割れなどのリスクがあります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。